インテンシティとは
インテンシティは、イスラエルのハニタレンズ社が開発した、5焦点眼内レンズです。
近方、中間距離、遠方に加え、遠中(遠方と中間距離の間)、近中(近方と中間距離の間)の計5点にピントを合わせることができます。
日常生活において、あらゆる場面で裸眼での良好な見え方が期待できます。
ほかの眼内レンズとの比較
【横にスクロールします】
単焦点眼内レンズ | 2焦点眼内レンズ | 3焦点眼内レンズ | 5焦点眼内レンズ | |
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焦点距離 | 遠・中・近のうち1つ | 遠・中・近のうち2つ | 遠・中・近の3つ | 遠・遠中・中・近中・近の5つ |
眼鏡の頻度 | 高い | 低い | ほとんどない | ほとんどない |
ハロー・グレア | 少ない | 多い | やや少ない | やや多い |
夜間の見え方 | 良好 | 見えにくい | やや見えにくい | 良好 |
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。
一般に使用されるのが「単焦点眼内レンズ」であり、こちらはピントが合う距離は1つだけとなります。その1点に限っては非常によく見えますが、他の距離を見る場合には眼鏡が必要です。
それに対し、2つ以上の距離にピントが合うのが「多焦点眼内レンズ」です。こちらは複数の距離にピントが合うため、多焦点眼内レンズと比べると、眼鏡が必要になる機会が少なくなります。
その中で5焦点眼内レンズであるインテンシティは、上記の表のように、多焦点眼内レンズの強みを最大限発揮しつつ、同時に従来の多焦点眼内レンズの弱みが軽減されたレンズと言えます。
インテンシティのメリット・デメリット
5焦点眼内レンズ、インテンシティのメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
5つの焦点にピントが合う一方で、従来タイプのデメリットが軽減されているという特長を持ちます。
日常で必要な焦点距離を幅広くカバー
近方、近中、中間距離、遠中、遠方と、5つの距離にピントを合わせることができます。日常生活中のあらゆる場面で、裸眼での良好な見え方を可能にします。
また近方が40cmに設定されていることから(従来タイプは50cm)、スマートフォンを操作する時、読書をする時など、より現代の実生活に適した距離での良好な見え方が期待できます。
見え方の質が高い
インテンシティは、光のロスの非常に少ないレンズです。
たとえば回折型の2焦点眼内レンズの場合、光のロスは約18%にものぼりますが、インテンシティはこの数字を約6.5%に抑えています。
これにより、コントラストが良好であり、いずれの距離においても質の高い見え方が実現されます。
夜間でも良好な見え方を実現
一般的な多焦点眼内レンズの場合、夜間に視力が落ちてしまうという課題がありました。暗所では瞳孔径が変わりますが、これに光配分機能がうまく対応できないのです。
一方のインテンシティであれば、独自技術によって瞳孔径に応じて適切な光配分がなされるように設計されており、夜間、暗所でも良好な見え方が実現できます。
ハロー・グレアを最小限に抑える
一般的な多焦点眼内レンズでは、その構造上、どうしてもハロー・グレアが強く出る傾向にありました。
インテンシティは、その独自構造により、このハロー・グレアを最小限に抑えることができます。夜間に運転するお仕事をされている方にも向いているレンズと言えるでしょう。
デメリット
インテンシティの良さについてお話して参りましたが、デメリットも存在します。
メリット・デメリットを他のレンズと比較しながら、最適なレンズを選択できるよう、当院がサポートいたします。
強度近視の方は不適応になる場合がある
眼内レンズの矯正度数の幅がやや狭いため、-6.0D以上の強度近視の方には向かないことがあります。
40cm以下の近方での視力の落ち込み
40cm以下の距離については、視力低下があります。
対象に顔を近づけて精密な作業をする仕事に就いている方など、あまり向かないことがあります。
高額な費用
インテンシティは、健康保険が適用されません。また選定療養の対象にもなりません。
そのため、他の多焦点眼内レンズを選んだ場合と比べると、患者様の経済的ご負担は大きくなります。
インテンシティの費用
費用 | |
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インテンシティ |
乱視なし:462,000円 |
乱視あり:517,000円 |