網膜静脈閉塞症とは
網膜静脈閉塞症は、網膜にある静脈が詰まり、網膜での血流が低下することで浮腫・出血を起こす病気です。これにより、視力低下や視野障害などの症状をきたします。
網膜静脈閉塞症は、網膜内の静脈が詰まる「網膜静脈分枝閉塞症」と、視神経内で静脈が詰まる「網膜中心静脈閉塞症」に分けられます。
症状と見え方
網膜静脈閉塞症は、初期と後期で症状が異なります。
初期
出血後の初期、むくんだ・出血した部位がかすんで見えます。
出血が網膜の中心部である黄斑部で起こった場合には、強い視力低下を伴います。
後期
栄養・酸素の供給を維持しようと、異常な血管(新生血管)が作られます。しかしこの異常な血管は非常に破れやすく、破れた場合には硝子体出血を起こし突然何も見えなくなります。
原因
網膜静脈閉塞症の主な原因は、動脈硬化です。網膜の血管がもろく柔軟性を失うことで、詰まりやすく、さらにむくみやすく、破れやすくなります。
また動脈硬化の背景には、糖尿病・高血圧・脂質異常症、慢性腎臓病などがあります。
網膜静脈閉塞症になりやすい人
糖尿病・高血圧・脂質異常症の方、慢性腎臓病の方は、網膜の血管に負担をかけることで網膜静脈閉塞症を起こしやすいと言われています。
年齢別でいえば、男性であれば40歳以上、女性であれば50歳以上の発症が目立ちます。
治療方法
網膜静脈閉塞症の治療には、薬物療法とレーザー治療があります。
薬物療法はさらに、内服治療と抗VEGF療法(注射)に分けられます。
内服
網膜の血流の循環を改善する薬、血栓を溶かす薬などを使用します。
抗VEGF療法
抗VEGF物質を眼の中に注射し、血管からの血液成分の漏れ出しを防いだり、網膜の浮腫を軽減したりします。
レーザー治療
黄斑部を除く網膜全体にレーザーを照射し、凝固させることで、新生血管や浮腫を抑制します。